医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > がん患者約1万4000人を対象に、療養生活の実態について全国調査を実施−国がん

がん患者約1万4000人を対象に、療養生活の実態について全国調査を実施−国がん

読了時間:約 1分21秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年01月20日 AM06:00

厚生労働省研究班によるがん患者の療養生活の実態調査

国立がん研究センターは1月15日、同センターを中心とした研究班にて、がん患者の療養生活の実態を把握する全国調査を行うと発表した。日本国内のがん対策の評価、方向性の検討に活かすことが目的だ。


この画像はイメージです

日本では、2007年にがん対策基本法が施行され、がん対策推進基本計画に沿ってさまざまな対策が行われてきた。しかし、これまでがん対策の進捗評価が十分とは言い難く、2012年に閣議決定された第2期がん対策推進基本計画では、がん対策を評価する指標を策定し、進捗評価を行っていくことが示されている。

今回の調査は、がん対策推進基本計画に掲げられる全体目標「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」の進捗を把握し、今後のがん対策に反映させることを目的として、「がん対策における進捗管理指標の策定と計測システムの確立に関する研究」が行う。

がん対策推進協議会へ報告、がん対策情報センターでも公開予定

調査の対象者は、全国のがん診療連携拠点病院より無作為に選ばれた131施設(予定)を、2012年の1年間に受診した患者から約100名ずつ抽出した、総計1万4000人となる。対象者に対しては調査票を発送し、医療機関や社会で体験された事柄に関して、選択式・無記名で回答してもらい、同研究班で集計を行う。がん患者の体験と比較を行うため、一部、がんではない他の疾患で受診された患者も含まれる。集計結果については、がん対策推進協議会へ報告する他、国立がん研究センターがん対策情報センターのホームページでも公開予定としている。

設問については、医療機関での診断から治療を受けるまでの期間の長さ、治療を選ぶ上で十分な情報が得られたか、治療後に療養の場が変わるときの移行はスムーズであったか、職場・仕事での体験、周囲の人からのサポート、治療の進歩を感じるかなど、さまざまな場面で重要であると思われる要素を設定している。

調査票は、2015年1月~2月より順次発送。調査票到着から3週間を目安に返送期限を設定する予定としている。

▼外部リンク
国立がん研究センター プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか
  • 運動後の起立性低血圧、水分摂取で軽減の可能性-杏林大
  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大