1280×720ピクセルの高解像度、ピント調整も搭載
第1回ウェアラブルEXPOが1月14~15日、東京ビッグサイトで開催され、ブラザー工業株式会社が、ヘッドマウントディスプレー「AiRScouter WD-200S(仮称)」を参考出品した。WD-200Sは、同社が2012年6月より販売している「AiRScouter WD-100G/100A」の次世代モデルで2015年秋の発売を予定している。
画像はニュースリリースより
ウェアラブルデバイスとは、腕や頭部など体の一部に装着して利用する端末(デバイス)の総称。この市場は、2018年には、1兆2000億円規模の市場に急拡大することが確実視されており、新製品・新技術開発が進んでいる。こうしたデバイスは現在、医療業界においても注目されており、同展示会には医療機器メーカーをはじめ、新規参入を目指すデバイスメーカーが多数参加した。
WD-200Sのディスプレーは親指ほどの大きさだが、前モデルの800×600ピクセルから1280×720 ピクセルの高解像度にアップグレード。およそ1メートル先にある13インチの画面を見ているのと同様の見え方となっている。さらにダイヤル式のピント調整を備え、30センチという至近距離から5メートル先まで、焦点距離を合わせることができるという。これにより、CTなどの映像と患部を見比べる際に発生する、視野移動による疲れの軽減が図れるという。
ヘッドバンドで視野を確保、HDMIなどで既存の医療機器に接続
第1回ウェアラブルEXPOにて撮影
先のWD-100G/100Aは、ディスプレーをメガネのようなマウントに固定していたが、WD-200Sではヘッドバンド方式を採用。これはメガネをかけている人でも普段と変わらない視野や使用感を確保するためだ。
ディスプレーを支えるフレキシブル・アームは、上下左右にあらゆる方向に調整でき、実視野を主体として、邪魔にならない位置にディスプレーを置ける。ヘッドバンドは、WD-100G/100Aよりもさらにずれにくく、自然な装着感を実現した。これらとディスプレーを合わせたヘッドマウントユニット部(コード含む)の重さはわずか141グラム。長時間の施術でも負担の少ない重さと言えるだろう。
また、ディスプレーとつながるコントロールボックスは、多くの医療機器で使用されているHDMI端子やコンポジット端子に対応。ケーブル接続するだけでWD-200Sが使用でき、すでに使い慣れた医療機器をそのまま使用できるというメリットがある。
現行のWD-100G/100Aは、大学など臨床現場での試験結果が学会で発表されている。 WD-200Sについても現在、医療現場での試験が行われており、その結果は今後、各々の研究機関より順次発表される予定とのことだ。
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・ブラザー株式会社 ニュースリリース