「重大な副作用」の項に「脱水」を追記
厚生労働省は1月9日、2型糖尿病の治療薬として用いられるSGLT2阻害剤について、「使用上の注意」を改訂するよう指示を出した。改訂内容は以下の2点。
- 「慎重投与」の項に「脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)」を追記する。
- 「重大な副作用」の項に「脱水」を追記する。
今回の改定について、同省では「脱水関連の国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した」としている。SGLT2阻害剤のうち、イプラグリフロジン L-プロリン(商品名:スーグラ)では26例、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(商品名:フォシーガ)では6例、トホグリフロジン水和物(商品名:アプルウェイ、デベルザ)では9例の脱水関連症例が報告されている。
トホグリフロジン水和物は「腎盂腎炎」も追記
また、ルセオグリフロジン水和物、カナグリフロジン水和物、エンパグリフロジンについては脱水関連の国内症例はないものの、SGLT2阻害剤は浸透圧利尿作用を有し、同様の事象が発現すると考えられることから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。
さらに、トホグリフロジン水和物については同日、「重大な副作用」の項に「腎盂腎炎」を追記することも公表された。同剤については、腎盂腎炎関連症例が6例報告されており、改定することが適切と判断された。(QLifePro編集部)
▼外部リンク
・医薬品医療機器総合機構 SGLT2阻害剤の「使用上の注意」の改訂について
・医薬品医療機器総合機構 トホグリフロジン水和物の「使用上の注意」の改訂について