肝線維化が短時間で測定可能なHISCL M2BPGi試薬
シスメックス株式会社は1月5日、同社が開発・販売を行っている肝臓の線維化検査用試薬(HISCL M2BPGi試薬)が1月1日付けで保険適用を受けたと発表した。
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同試薬は、同社の全自動免疫測定装置HISCLシリーズを用いることで、肝細胞がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変へ至る肝線維化の進行の程度を採血のみ(血清)で17分と短時間に測定することができるもの。
保険適用により、より多くの病院で簡単に検査を受けることができ、慢性肝炎に起因する疾病の早期発見や治療モニタリングにおける患者の負担軽減が期待される。
世界初の糖鎖マーカーを用いた肝臓の繊維化検査技術
ウイルス性慢性肝炎の治療プロセスにおいては、進行する肝臓の線維化の程度を判定することが重要であり、その検査は肝臓組織を採取して行う生検が主流である。しかし、生検は入院の必要があり、侵襲性が高いため、身体的、経済的な側面で患者の負担が大きいことが課題だった。
そこでシスメックスは、産業技術総合研究所の旧糖鎖医工学研究センターと共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトの成果をもとに、同試薬を開発。2013年12月10日に薬事承認(製造販売承認)を得て、世界で初めて糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維化検査技術の実用化に成功していた。
今後は、医療機関や検査センターを中心に国内市場での導入を進めるとともに、肝疾患が多い中国をはじめとするアジア諸国にも順次導入を進めていく方針としている。(大場真代)
▼外部リンク
・シスメックス株式会社 プレスリリース