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「肺炎が気になる」のはわずか8%-ファイザー社プレスセミナーより

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2014年12月25日 PM04:18

死亡率第3位だが、国民の関心は薄い肺炎

ファイザー株式会社は12月16日、プレスセミナー「『健康寿命』はどこまで伸ばせるのか?~高齢者の感染症予防の意義~」を開催。感染症を予防し、健康寿命を延ばすためのワクチン接種の必要性や肺炎球菌ワクチン接種のもつ社会的意義について、愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学主任教授で愛知医科大学病院 感染症科/感染制御部の三鴨廣繁部長が講演した。


愛知医科大学大学院 医学研究科臨床感染症学
三鴨廣繁主任教授

健康寿命の延伸は平均寿命に代わり、国の大きな目標となっている。そうした中、肺炎球菌ワクチンの接種は、国が進める施策のひとつであり、今年10月から65歳以上を対象に肺炎球菌多糖体ワクチンが定期接種化された。

ファイザー社は今回のセミナーに先立ち、「健康寿命に関する意識調査」を実施。現在、肺炎の死亡率は、悪性新生物、心疾患についで第3位であり、死亡者の96.8%が高齢者となっている。にもかかわらず、「健康寿命を損なう可能性がある病気のなかで、あなたが気になるものはどれですか?」という質問に、肺炎と答えたのはわずか8%。がん(53%)、心臓病(24%)と比べるときわめて低い値となった。

この結果に三鴨氏は「国や学会は啓発を行っていますが、国民の意識は低いままです。死亡につながるリスクのある病気であることをもっと知っていただきたい」と語り、「高齢で慢性腎疾患や慢性肝疾患などを患っている方では、肺炎による死亡率が高くなることが分かっています。高齢で病院に通院している方は、絶対にワクチンを打たないといけません」と力説した。

小児・成人のワクチン接種で社会的集団免疫の確立を

しかし、そのワクチン接種の実情は芳しくない。「肺炎球菌ワクチンの接種を受けたことがありますか」との問いに「受けたことがある」と回答したのは65歳以上でわずか3%、70歳以上でも14%という低水準にとどまった。(※編集部注 このアンケートは定期接種化した直後の11月に行われたため、現在は多少上昇していることが予想される。)また、肺炎にかかる可能性を感じているか尋ねたところ、感じているのは65歳以上で5%、70歳以上でもわずか10%と、接種を受けたことがある人と同様の割合となった。

また、肺炎球菌ワクチンを含めたワクチンを取り巻く状況も決して良好とは言えない。「日本は、予防接種に関しては発展途上国といわれています。日本脳炎ワクチンやHPVの問題などで、有害事象の問題がクローズアップされてしまい、集団予防の観点が欠けており、この状況を我々は危惧しています」(三鴨氏)

三鴨氏は「小児へのワクチン接種は、国策として行われている一方、成人へのワクチン接種は遅れていました。ワクチンを打てば、本人に効果があるのはもちろんですが、社会的な集団免疫にもつながります。子どものワクチン接種だけでなく、成人へのワクチン接種を行うことで国全体としての効果が期待できます」と語った。(

▼外部リンク
ファイザー株式会社 プレスリリース

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