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トリプルネガティブ乳がんを対象としたエンザルタミドの試験データを発表-アステラス

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2014年12月17日 PM03:15

ホルモン療法の客観的腫瘍縮小効果を検討する初の臨床試験

アステラス製薬株式会社は12月15日、米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミドに関し、アンドロゲン受容体陽性トリプルネガティブ進行再発乳がん患者を対象とした、エンザルタミド単剤療法の有用性を検討する第2相臨床試験データの結果を公表した。


この画像はイメージです

現在、トリプルネガティブ乳がんを適応とした既承認薬は存在せず、通常化学療法による治療が行われているのが現状だ。今回対象となったアンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ乳がんは、近年特定されたサブタイプであり、アンドロゲン受容体の過剰発現が確認されている。

エンザルタミド単剤療法の有用性を検討する今回の試験は、アンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ乳がん患者に対して実施されている臨床試験としては最も規模が大きく、ホルモン療法の客観的腫瘍縮小効果を検討する初めての臨床試験だという。

ステージ1の16週時のCBRは42%

今回の試験は単群のオープン試験であり、米国、カナダ及び欧州の施設にて実施。免疫組織学的染色でアンドロゲン受容体陽性が認められた患者(ステージ1で42名、ステージ1、2合計で118名)が組み入れられ、160mgを1日1回経口投与した。主要評価項目は、評価可能な患者集団(アンドロゲン受容体の発現が10%以上、かつ投与後評価あり)における臨床的有用率[Clinical Benefit Rate(CBR);完全奏効(CR)、部分奏効(PR)又は16週以上の安定(SD)を示した患者の割合]。前治療薬の使用歴に関する制限はなく、ステージ1では42名の女性患者のうち26名が評価可能な患者と判断された。

ステージ1以降、ステージ2に組み入れられた76名ではこれまでに、CRが1名、PRが3名認められており、11月10日の時点では両ステージ合計で6名のCR又はPRが認められているという。なお、ステージ2の全データについては、2015年中を目途に解析を行う予定としている。(

▼外部リンク
アステラス製薬株式会社 ニュースリリース

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