従来装置に、放射線治療用アクセサリーとアプリケーションを搭載
シーメンス・ジャパン株式会社は12月10日、新たなMRI装置「MAGNETOM Combi Suite Radiation Therapy – RT pro edition -」の販売を開始したと発表した。
画像はプレスリリースより
同装置は、同社の高性能MRI装置である1.5T 「MAGNETOM Aera」および3T 「MAGNETOM Skyra」に、放射線治療用アクセサリーとアプリケーションを搭載したもの。これにより、腫瘍伸展範囲の同定をさらに的確に設定できるようになったという。
危険臓器への放射線照射量を低減、障害発生率を低下
頭頸部や骨盤腫瘍においては、CT画像では正常組織と病変部の識別が困難とされている。同装置は、多種多機能なMR画像をフュージョンすることで高精度な放射線治療を可能にしたという。これにより、正常な臓器の容積精度の向上や、危険臓器への照射線量を低減することができ、正常な組織への障害発生確率の低下が期待される。
さらに、MRIは高い腫瘍活性度や細胞の充実性を視覚化できるため、肉眼的腫瘍体積の設定精度が向上。同時追加照射による病変部への高線量照射や治療期間が短縮されるという。また、MR検査により早期治療効果判定を可能にすることで、追加照射の早期決定や化学療法の併用開始時期の決定にも貢献が期待される。
ほかにも、同装置は自動的に制御できる電波調整機能を装備しており、患者に優しい画像診断を実現している。(遠藤るりこ)
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・シーメンス・ジャパン株式会社 プレスリリース