他院との連携、役割分担の強化を図る
国立がん研究センターは、同センター中央病院に12月5日から「IVRセンター」を開設したと発表した。
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これまでは原則として同院の患者を対象にIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)治療を行っていたが、他院の患者へも提供できるよう受け入れ体制や設備を整備。さらに、ナショナルセンターとして、臨床試験の難しい緩和医療におけるIVRのエビデンスについても、日本そして世界に向けて多くの情報を発信し、他のIVRセンターとも情報共有を図りながらIVRによるがん治療、緩和ケアの国内普及を目指すという。
がん治療の柱のひとつとして国内の普及を目指す
IVRは、画像診断装置で体の中を透かして見ながら、体を大きく切開せずに体内に挿入した器具で行う画像下治療。がん治療における4本目の柱として欧米で広く活用されつつある。
肝がんに対する動脈化学塞栓術、ラジオ波凝固療法、腎がんに対する凍結治療などが代表的で、緩和的治療では腹水を心臓近くの血管に戻すシャント術、骨転移による痛みに対する骨セメント(骨形成術)、がんで潰れた血管に対するステント治療などがある。
多くの場合、局所麻酔による低侵襲手術のため短期の入院で済み、中央病院はこれまでに年間4,000件以上のIVRを行っているという。特に緩和的IVRは、薬物療法で効きにくい苦痛や症状を緩和、QOLの改善を提供する有用な手段であり、年間1,000件以上が行われている。(大場真代)
▼外部リンク
・国立がん研究センター プレスリリース