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タンパク質の構造異常が遺伝性てんかんの原因であることを発見-生理研ら

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2014年12月12日 PM11:05

LGI1遺伝子の変異で起こる遺伝性側頭葉てんかん

生理学研究所の深田正紀教授、深田優子准教授および横井紀彦特任助教の研究グループは、北海道大学医学部、オランダErasmus大学、東京大学先端科学技術研究センターとの共同研究により、遺伝性てんかんのひとつである常染色体優性外側側頭葉てんかん(Autosomal Dominant Lateral Temporal Lobe Epilepsy:ADLTE)の原因がタンパク質の構造異常に基づくことを発見した。この論文は「Nature Medicine」に12月8付で掲載されている。


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これまで、LGI1遺伝子が変異することで、遺伝性側頭葉てんかんを引き起こすことや、LGI1に対する自己抗体が生じると記憶障害やけいれん、見当識障害を主訴とする辺縁系脳炎を引き起こすことは知られていた。今回、同グループでは、ヒトの側頭葉てんかん患者で見られる22種類のLGI1ミスセンス変異を体系的に解析し、分泌型と分泌不全型に分類。LGI1とその受容体ADAM22が結合できないことが、ADLTEの分子病態であるとしている。

全く新しいてんかん病態と治療戦略を発見

さらに同グループは、タンパク質の構造を修復しうる低分子化合物(化学シャペロン)が分泌不全型LGI1の構造異常を改善させ、分泌を促進することを発見。同研究により、タンパク質の構造異常を修復する一連の薬剤がてんかんの治療に有効である可能性が示唆され、全く新しいてんかん病態と治療戦略が提唱できたとしている。

深田正紀教授は「今回の研究で、遺伝性てんかんのひとつがタンパク質の構造異常に起因するものであることが明らかになり、ある種の化学シャペロンがてんかん症状の軽減に有効であることが分かりました。タンパク質の構造異常を改善することに着目した化学シャペロン療法は、これまで嚢胞性線維症やライソゾーム病といった遺伝性疾患に対し試みられてきましたが、てんかん治療への応用は、今回が世界で初めての試みです。同様の治療戦略は、LGI1以外の遺伝子異常によるてんかんにも有効である可能性があります。さらに、LGI1とその受容体ADAM22を標的とする新規の抗てんかん薬の開発につながる成果だと言えます」とコメントしている。(

▼外部リンク
生理学研究所 プレスリリース

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