医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > バイスペシフィック抗体ACE910の第1相試験における血友病A患者の全データを発表-中外製薬

バイスペシフィック抗体ACE910の第1相試験における血友病A患者の全データを発表-中外製薬

読了時間:約 1分13秒
2014年12月12日 AM06:00

注目のACE910の試験結果を初めて公開

中外製薬株式会社は12月8日、血友病Aを対象として開発中の抗factor IXa x 抗factor Xヒト化二重特異性抗体「ACE910」に関し、米国・サンフランシスコで開催中の第56回米国血液学会総会(The American Society of Hematology)において、第1相臨床試験の成績を発表した。同社がバイスペシフィック抗体の試験結果を公開するのはこれが初めてとなる。


この画像はイメージです

同試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有/非保有の日本人の血友病A患者を対象に、ACE910の安全性と、出血を抑制するための予防投与の探索的な効果を検討することを目的とした初めての試験。同剤の3用量について、週1回の皮下投与により用量を漸増して12週間投与を行ったオープンラベル試験だ。

血友病A患者に対し、顕著な血液抑制効果を確認

発表によると、有効性については、12週間のACE910の投与により、インヒビターの有無に関わらず、各コホートにおいて顕著な出血抑制効果が認められたという。そのうち、ACE910投与期間中に全く出血を認めなかった症例も13例あり、投与前後の年間出血頻度の平均値も、すべてのコホートで減少したとしている。

安全性については、臨床上問題となる過凝固を示唆する臨床検査値の異常や臨床所見は全てのコホートにおいて認められず、投与期間中の出血に対して第VIII因子製剤もしくはバイパス製剤を用いたオンデマンド治療が併用された症例においても、過凝固に関わる有害事象は認められなかったという。2例で中等度の上気道感染、頭痛を認めたが、その他の有害事象は全て軽度。また、注射部位紅斑が発現したためにACE910の投与の中止が1例あったものの、重症度は軽度だったという。なお、12週間の投与期間中に抗ACE910抗体の発現は認められていないとのことだ。(

▼外部リンク
中外製薬株式会社 ニュースリリース

 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • エピソード記憶能力を誰でも簡単に計測可能なスマホアプリ、特許取得-富山大ほか
  • ウゴービ電子添文改訂、 MACE発現リスク20%低下示したP3データ反映-ノボ
  • 炎症性腸疾患に対するduvakitugの有効性・安全性の追加データ発表-仏サノフィほか
  • ミリキズマブ投与のIBD患者、多くが2年後も臨床的寛解/内視鏡的改善を維持-米リリー
  • DMDのエクソン44スキップ薬、医師主導治験でジストロフィン発現を確認-NCNPほか
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい