施設別の院内がん登録件数をもとに、病院探しの手伝いを
国立がん研究センター・がん対策情報センターは12月9日、全国のがん診療連携拠点病院において、2009年から2012年までに院内がん登録された診療情報のデータベースを構築し、施設別に症例数を検索できるシステムを開発したと発表した。
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全国のがん相談支援センターにはこれまで、セカンドオピニオン先や、地元の病院を探している患者や家族からの相談が多く寄せられていた。また、担当医師においても、肉腫、皮膚がんといった希少がん患者の紹介先に苦慮していたのが現状だった。
今回開発されたシステムの運用によって、希少がんを含めたほぼ全てのがん種について、診療実績のある病院を検索し、適切な相談を行うことのできる医療機関への紹介が可能となる。これは、院内がん登録の情報を、直接がん患者の役立てる初の試みとなるという。
患者の条件に一致する施設の情報を提供
同システムは、全国に46か所ある都道府県がん診療連携拠点病院と、国立がん研究センター中央病院(東京都)、東病院(千葉県)のがん相談支援センター、およびがん情報サービスサポートセンターにおいて対応している。使用しているデータベースは、全国にあるがん診療連携拠点病院407施設で、2009年から2012年までに院内がん登録された診療情報、約220万症例分である。
この情報の検索は、各拠点病院のがん相談支援センターの相談窓口にて専門相談員が行う。患者の要望に合わせ、性別・年齢階級・原発部位・組織型・地域などの条件に合致する症例のがん登録件数を施設別に検索し、情報を提供することができるとしている。
国立がん研究センターによると、検索のできる対応施設は随時更新していく予定だという。また、それぞれのがん相談支援センターにて、電話での対応も行われている。(遠藤るりこ)
▼外部リンク
・国立がん研究センター プレスリリース