従来の維持期治療のデータに加え急性期データが追加
大塚製薬株式会社とH.ルンドベックA/Sは、急性期統合失調症患者を対象とした臨床試験の結果により、非定型向精神薬で筋注用デポ製剤である「Abilify Maintena(R)」(エビリファイ メンテナ、一般名:アリピプラゾール)の米国添付文書に、急性期試験データを追加することを、米国時間12月5日にFDAと合意したと発表した。
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12週間実施された二重盲検ランダム化試験では、Abilify Maintenaは最初の2週間、経口のアリピプラゾールと併用投与され、統合失調症の急性期の患者の症状、忍容性、安全性を有意に改善したという。なお、この試験データは、米専門誌「The Journal of Clinical Psychiatry」誌11月号に掲載されている。
難治性患者に対しても無発作状態を維持
Abilify Maintenaは、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストで唯一の月1回投与の持続性注射剤。米国では統合失調症の治療薬として、欧州の数カ国では経口剤のエビリファイを服用して症状が安定している成人統合失調症患者の維持療法を適応として承認されている。
ズッカー・ヒルサイド病院精神科学部長であり、ノースショア ロングアイランドジューイッシュ医療システム・行動保健サービスのバイス・プレジデントを務めるジョン・M・ケイン医師はプレスリリースで
「再発ともいわれる精神病症状の急性増悪は、統合失調症を管理する上で大変重要なものです。抗精神病薬が奏功しなくなったり、服用そのものを中断してしまったりすることで再発することもあります。今回の試験のデータをふまえ添付文書が改定されたことは、急性期における『Abilify Maintena』の有用性を裏付け、統合失調症の初期治療・継続治療の新たな選択肢を与えるものです」
と述べている。(大場真代)
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・大塚製薬株式会社 プレスリリース