FDAによる優先審査期間の3か月延長が決定
スイス・ノバルティス社は11月25日、米食品医薬品局(FDA)がボルテゾミブおよびデキサメタゾンとの併用における、治療歴のある多発性骨髄腫患者の治療薬として承認申請中のパノビノスタット(LBH589)の優先審査期間を3か月延長すると発表した。
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米国では、今年3月にパノビノスタットの承認申請が行われ、その後、5月にFDAから通常12が月の審査期間を8カ月に短縮する優先審査品目としての指定を受けていた。今回の延長は、今月初旬に開催されたFDAの抗がん剤諮問委員会の会議を受けたものとしている。なお、同剤は日本では、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、現在承認を申請中である。
再発、難治性の多発性骨髄腫の治療薬として期待
多発性骨髄腫は、60歳以上で発症することが多く、現存の治療法では再発および難治性となることが多い、治癒が困難な疾患。正常なエピジェネティクスのプロセスが阻害されることから、がん化した形質細胞が増殖したり、既存の治療法に抵抗性を示したりすることで、最終的には疾患が進行するといわれている。LBH589は、このエピジェネティクスを調節することで多発性骨髄腫における細胞の異常な機構を修復すると考えられている。
同社では、LBH589が承認されれば、汎脱アセチル化酵素阻害剤として、初の再発・難治性多発性骨髄腫の治療薬となるとしており、ノバルティス オンコロジー事業部グローバル開発およびメディカルアフェアーズ責任者であるアレッサンドロ・リバ氏はプレスリリースで、
「多発性骨髄腫は、治癒が困難な疾患であり、既存治療に対し再発または難治性となった患者さんにとって新しい治療選択肢が必要です。私たちは今後も承認審査に関してFDAと協力していきます」
と述べている。(大場真代)
▼外部リンク
・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース