2剤併用で抗腫瘍免疫反応の増強につながる可能性
ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社は11月4日、アストラゼネカ、Pharmacyclics社、およびヤンセンが、経口ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤「イブルチニブ」(海外での製品名:IMBRUVICA(R))との併用において、アストラゼネカが開発中のMEDI4736(抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤)の有効性および安全性を評価する臨床試験に関する提携契約を締結したと発表した。
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イブルチニブは、ヤンセンファーマシューティカルズカンパニーの1社であるCilag GmbH InternationalとPharmacyclics社が共同開発しており、米国ではPharmacyclics社とヤンセン・バイオテック社が共同販売している抗悪性腫瘍剤。抗体を生成する白血球である腫瘍化Bリンパ球に対し、制御不能な増殖および転移を指令するシグナルを阻害する。
一方、MEDI4736は、免疫システムによるがん細胞の探知を回避するシグナルを阻害することで免疫逃避機構に対抗する。前臨床試験でのエビデンスにより、これら2剤を併用することで抗腫瘍免疫反応の増強につながる可能性が示唆されているという。
併用療法による安全性と有効性を評価
今回の試験は、両化合物で開発中の適応であるびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫および濾胞性リンパ腫を含む血液がんで併用する治療薬として評価を行うとしている。第1相試験ではMEDI4736とイブルチニブ併用療法の推奨用量レジメンを確立し、第2相試験では、この研究中の併用療法による安全性と有効性を評価する。なお、今回の契約に基づき、この試験はPharmacyclics社が実施するという。
ヤンセンのグローバルオンコロジーの責任者であるPeter Lebowitz医学博士は、プレスリリースで、
と述べている。(横山香織)
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース