患者数が150~200万人にのぼるC型肝炎ウイルス
MSD株式会社は11月25日、C型慢性肝炎治療薬「バニヘップ(R)カプセル150mg」(一般名:バニプレビル)を発売したと発表した。
画像はニュースリリースより
現在、日本では約150~200万人がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染していると推定されているが、感染を知らない人や、知っていても通院しない人が多いのが現状と言われている。慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の約75%がHCVに感染しており、年間3万人が肝がんにより亡くなっている。
ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎に有効
同剤は、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.が開発した第二世代のプロテアーゼ阻害剤で、HCVの複製に関わる酵素を阻害する。ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)・リバビリンとの3剤併用療法により、日本人のC型肝炎患者の約70%を占めるジェノタイプ1型のC型慢性肝炎に効果を示すと言われている。なお、同剤は日本でのみの発売となる。
血中HCV RNA量が高値の未治療患者、あるいはインターフェロンを含む治療法で再燃となった患者に使用する場合は、成人には1回300mgを1日2回、12週間経口投与する。また、インターフェロンを含む治療法で無効となった患者に使用する場合は、成人には1回300mgを1日2回、24週間経口投与する。
同社は今後、「バニヘップ」および既存のC型慢性肝炎治療薬を通し、患者や医療従事者の皆に貢献できるよう努力していく、と述べている。(遠藤るりこ)
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・MSD株式会社 ニュースリリース