独立データモニタリング委員会の安全性評価に基づき決定
アステラス製薬株式会社とアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社は11月25日、両社が日本において共同開発を行っている胃がん治療薬「rilotumumab」(一般名、開発コード:AMG 102)について、米アムジェン社が実施している全ての臨床試験(日本および他のアジア諸国で実施中の第3相試験RILOMET-2 を含む)の中止を決定したことを発表した。
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アムジェン社から現地時間11月24日に対外公表されたプレスリリースによると、この決定は、事前に計画されていたRILOMET-1 試験の独立データモニタリング委員会の安全性評価において、rilotumumab と化学療法併用群の死亡数が、化学療法単独群に比べて増加したと認められたことに基づいているという。RILOMET-1 試験の詳細な結果は、学会ならびに論文投稿で報告される予定としている。
今後の研究に役立てるため、詳細なデータ解析を行うと報告
rilotumumabは、肝細胞増殖因子/細胞分散因子 (HGF/SF): METシグナル伝達経路を阻害するようデザインされた治験中の完全ヒト型モノクローナル抗体。がん細胞の細胞増殖を抑え、生存シグナルを減弱させ、その遊走と浸潤を妨げる作用が期待されているという。
アムジェン社は現在、臨床試験中止の手続きを進めると共に、治験に参加している患者へのフォローアップに関する指針を提供するため、rilotumumab の臨床試験に関わる治験責任医師と連携を取っているとしている。
同社の研究開発Exective Vice PresidentであるSean E. Harper医師は、プレスリリースで
「私どもはこの結果を残念に思う一方、本疾患領域における将来の研究と治療に役立てるために、主導的立場の治験責任医師と共に詳細なデータ解析を行っていきたいと考えています」
と述べている。(横山香織)
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース