細胞診断分野における新製品「剥離細胞分析装置 LC-1000」
シスメックス株式会社は11月20日、細胞診断分野における新製品として「剥離細胞分析装置 LC-1000(一般的名称:フローサイトメータ)」を発売すると発表した。
画像はプレスリリースより
将来的な子宮頸がんのスクリーニング検査における診断をサポートするツールとして活用されることを目指すもので、今後は、まず日本や中国などの医療機関を対象に販売を進め、臨床的有用性を検証していく方針という。
子宮頸がんの早期発見は、婦人科検診が重要な役割を担っているが、日本国内における検診受診率は海外の先進国に比べ低水準にとどまっている。また従来の検診では、子宮頸部から採取された細胞を、専門の細胞検査士が顕微鏡で確認する細胞診の方法を採ることが主流で、細胞検査士の負担が過大になるという問題点がある。受診率を向上させれば、さらに負荷が増していくことが予想されるため、より効率の良い検査が求められている。
ごくわずかな核DNA量の増加傾向や細胞増殖の状態も精緻にキャッチ
こうした課題を解決する新製品として開発されたのが、今回発売となった「剥離細胞分析装置 LC-1000」である。この装置は、フローサイトメトリーの技術を応用したもので、シスメックス独自の「Coresight」技術を採用しており、個々の細胞及びその核の大きさ、核DNA量を測定・解析することができる。
1時間あたり最大20検体の処理が可能で、効率良く、細胞のごくわずかな核DNA量の増加傾向及び細胞増殖の状態を精緻にキャッチすることができるという。そのため、細胞診にはない新たな臨床的付加価値がもたらされ、検査の質を高めるとともに、細胞検査士の負担を軽減、検査の標準化を実現することができると見込まれている。
対象市場は順次拡大していく予定。シスメックスは、子宮頸がんのスクリーニング検査における効率化、高精度化ならびに標準化を目指し、臨床的有用性の検証を積極的に進めていきたいとしている。
▼外部リンク
・シスメックス株式会社 プレスリリース