「すべての患者に運転等の禁止指導をすべき」と解釈されかねないと指摘
日本てんかん学会は、10月に理事長名で「抗てんかん薬の薬剤情報添付文書における自動車の運転等に関する記載についての見解」を表明した。
国内の抗てんかん薬の添付文書には、一律に「眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」という記載がされている。
これに加えて、厚生労働省は「添付文書の使用上の注意に自動車運転等の禁止等の記載がある医薬品を処方又は調剤する際は、医師又は薬剤師からの患者に対する注意喚起の説明を徹底させること」と、2014年5月29日付で通達している。
これに対し、同学会では、これらの文言や通達が「抗てんかん薬を服用するすべての患者に自動車の運転等を禁止するように指導する義務がある」と解釈されかねないと指摘。米国や英国の抗てんかん薬の添付文書では、医療者に対して一律に運転等の禁止指導を求めていないことや、道路交通法でも服用者の運転を一律には禁止していないことから抗てんかん薬の添付文書の記載について見解を表明した。
「支障をきたす副作用が生じていると考えられる患者」にのみ適用すべき
同学会では、
「抗てんかん薬の DI における自動車運転等の禁止等の記載は、医療の現状や科学的根拠、行政、法律などの多角的視点に基づいて、早急に見直されるべきである」
「今後わが国で承認される抗てんかん薬の DI における自動車運転等の禁止等の記載についても、上記のような多角的視点に基づいて適切に作成されるべきである」
「今後わが国で承認される抗てんかん薬の DI における自動車運転等の禁止等の記載についても、上記のような多角的視点に基づいて適切に作成されるべきである」
とした見解を表明。
抗てんかん薬の添付文書における自動車運転等の禁止等の記載は、「自動車運転等に支障をきたす副作用が生じていると考えられる患者」にのみ適用されるべきである、としている。(QLifePro編集部)
▼外部リンク
・日本てんかん学会 お知らせ