厚生労働省が提示した「一般用検査薬の承認審査等に係る運用」では、医療用から転用する場合、まず検査項目の議論を行い、合意が得られた検査項目について、各企業からの申請に基づく承認審査を行うことを前提とする方向性を示した。
企業は、一般検査薬の導入に関する一般原則への該当性や製品化の実現性などを踏まえ、一般検査薬として取り扱う際の使用上の注意、使用方法や検出感度などについて統一的な考え方を示したGLを作成し、厚労省に提出する。GLに盛り込む事項については、厚労省が別途、通知する。
厚労省はPMDAにGLの評価を依頼し、PMDAが一般原則への妥当性や使用方法、検出感度などを科学的に評価。その際、外部の専門家とも協議し、意見の調整を行う。
PMDAの評価結果を踏まえ、医療機器・体外診断薬部会で改めて転用の可否を審議し、了承されれば一般用検査薬に追加され、個別の製品の申請手続きに入る。承認審査は、医療用検査薬と同様の手続きで進められる。
部会を通過した検査項目は、一般薬のリスク区分を検討する医薬品等安全対策部会において、使用者に提供すべき情報などを踏まえ、専門家らが審議し、承認までにリスク区分が告示される。
■排卵、尿潜血などに着手
既に日本臨床検査薬協会では、尿中の女性ホルモンの変化から排卵日を予測する「排卵」、腎疾患の兆しを調べる「尿潜血」、尿路感染症を調べる「尿中白血球」などの項目について「優先度が高い」としてGL作成に着手しており、早ければ来年1月中にも厚労省に提出したい考えだ。
この日の会議では、「一般用検査薬の導入に関する一般原則について」も概ね了承された。前回の会合で厚労省が示した「一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しに関する骨子」に加筆・修正を加えたもので、転用の対象となる検体として、新たに鼻汁、唾液、涙液を追加した。
また、販売時の情報提供が適切に行われるよう、製造販売業者などに「販売者に対する研修を実施するよう努める」ことも追記。このほか、適切に受診勧奨を行うことや、相談体制の充実、「検査項目によっては使用者のプライバシーに配慮した形で製品の説明を行うことが望ましい」などの文言も新たに盛り込まれた。