PPIの投与回数増加で、難治性重症患者も治癒にいたる可能性
アストラゼネカ株式会社は10月31日、同社の取り扱うプロトンポンプ阻害薬(PPI)「ネキシウム(R)カプセル10mgおよび20mg(一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物)」について、標準量のPPI治療では効果が不十分な成人難治性逆流性食道炎に対する用法・用量の追加を内容とする承認事項の一部変更承認申請を行ったことを発表した。
この申請は、「1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与」の用法・用量を可能とするためのもので、現状の治療では効果が不十分な患者に対し、新たな治療選択肢を提供することを目指すとしている。
同社によると、逆流性食道炎患者に対し、標準とされる8週間のPPI治療を施しても、およそ10~20%の患者では治癒が得られていないといい、こうした難治性重症患者の多くでは、PPIの投与回数を増やすことで、治癒にいたる可能性があるという。
ガイドラインにおいて第一選択薬のPPI
逆流性食道炎では、多くの患者で胸やけや呑酸などの症状が現れ、QOLの低下につながっている。こうした症状発現を改善するPPIによる内科的治療は、胃食道逆流症診療ガイドラインにおいても第一選択に位置づけられており、広くその有効性が認められている。
ネキシウムカプセルは、胃酸分泌の最終過程を担うプロトンポンプを選択的に阻害することで、優れた酸分泌抑制効果を発揮し、酸関連疾患で高い臨床効果を生む薬剤として知られている。日本国内では、成人の酸関連疾患を適応対象として、2011年9月15日から販売されており、アストラゼネカが第一三共株式会社とコ・プロモーションを展開している。
▼外部リンク
・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース