「薬をやめたくてもやめられない」「ぐっすり寝た気がしない」
「不眠症治療薬を飲んでいる人の約7割が、現在服薬している不眠症治療薬に対して不満がある」ことが、MSD株式会社が行った調査から明らかになった。この調査は、全国の20歳から79歳の男女7827名を対象に実施したもので、不眠に関する意識と実態を明らかにするために行われた。
画像はプレスリリースより
対象者全員に不眠症治療薬のイメージを聞いたところ、不眠症治療経験者以外は6割が「不眠症治療薬を飲むのは怖い」と思い、5割が「不眠症は不眠症治療薬では治らない」と捉えていた。
また、現在不眠症の治療で通院中の186名に、睡眠の質を改善するために現在飲んでいる薬への不満を聞くと、7割が「不満あり」と回答。「薬をやめたくてもやめられない」、「夜中や朝方に目が覚める」、「ぐっすり寝た気がしない」などの意見が挙げられた。
不眠は慢性化すると治りにくくなる
今回の調査結果について、久留米大学医学部神経精神医学講座の内村直尚教授は、
「今回の調査には、不眠症の国際的な判定法であるアテネ不眠尺度(AIS)が用いられたが、成人の3人に1人に当たる38%に不眠症の疑いがあり、その可能性を否定できない人を含めると過半数にのぼる、という結果に驚いた。不眠症の疑いがある人のうち、69%が医療機関に相談したことがない、という結果も、そもそも不眠症の自覚がないことが大きいのだろうが、加えて不眠症治療薬を飲むのは怖い、不眠症は薬では治らないと思っている人が多数派であることも無関係ではないだろう。近年は、脳の覚醒状態を抑え、自然な眠りへと導く新しい作用メカニズムの薬も登場するなど、治療の選択肢がひろがっている。不眠は慢性化すると治りにくくなるので、就寝時だけでなく日中にも不調を感じる様であれば、早めに専門医に相談してほしいと思う」(ニュースリリースより)
とコメントした。(QLifePro編集部)