甲状腺がん「偶然みつかった」3人に2人
バイエル薬品株式会社は、甲状腺がんに関する意識調査を実施。11月5日、その結果を発表した。今回の調査は10月1~10日に、20~80代以上の甲状腺がんを「患った」「患っている」患者男女565名に対して行われた。
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調査によると、患者は甲状腺がんを比較的予後が良く、進行が遅いことが多い病気と認識している一方で、「がん」という病名が持つイメージによって、自身も悩んだ経験や、周囲に必要以上に心配をかけることや動揺させることを懸念した経験があることが分かった。また、甲状腺がんについて周囲に理解されていないことによる戸惑いも経験していた。
甲状腺がん発見のきっかけは、「人間ドックや健康診断で、たまたまその疑いが発覚した」(36.3%)、「他の疾患で受診していた医師から指摘された」(29.7%)といった、偶然見つかったケースが 66.0%。「何らかの自覚症状があった」人は 21.1%のみで、「更年期と勘違いしやすい」との声もあった。
甲状腺がん特有の事象が患者を悩ませている
さらに調査からは、「甲状腺ホルモン剤の服用が必要」、手術の痕を「気にする」、「声が出にくい」といった甲状腺がん特有の事象が患者を悩ませていることがうかがえる。加えて、「甲状腺の事を知らない人が多く、周囲に病気を理解してもらえない」「怠けている、甘えていると思われがち」と、周囲に理解が得られにくい状況であることも分かった。
この調査結果を受け、甲状腺専門病院 伊藤病院の高見博学術顧問はプレスリリースで、
「患者さんが高いQOLを維持しながら日常生活を続けるためには、周囲の疾患理解向上が重要です。喉のしこりなどの症状に気づく時には病気が進行している場合もあるため、甲状腺機能に不安のある方はもちろん、だるさや喉の違和感が続く方は、一度は甲状腺専門の診療科で検診を受けられることをお勧めします」
と、早期発見の重要性を強調した。(QLifePro編集部)
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・バイエル薬品株式会社 プレスリリース