紫外線が健康へ及ぼす悪影響が明らかになり、現在では出来るだけ日光にあたらないように心がけている人も増えてきました。けれども、太陽の光を好んでいる人が、常に日陰で過ごしている人たちよりも、大まかに見て長寿であることは、統計的に知られていることです。
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このところ、あまり良い形で言われることがなかった、日光。今回、西オーストラリア大学らによる研究によって、肥満や糖尿病の予防に日光が役立つ可能性が明らかになり、注目が集まりそうです。
この報告は、ラットをもとに行われた実験に基づいたものです。食べ過ぎの状態にしたラットに、紫外線を当てると、体重の増加が緩やかになり、更に糖尿病に関連するインスリン抵抗性や、血糖値の上昇も抑えられていたのです。
日光が体に及ぼす良い影響の代表として知られるビタミンDに関しては、サプリを使った実験でも、体重管理や糖尿病のリスクの軽減を証明することが出来ませんでした。それでは、この効果はどのようにして生まれるのでしょうか?
日光にあたることで、生産される物質に一酸化窒素があります。一酸化窒素は日光に当たることで、皮下で作られます。そこで、ラットに、一酸化窒素を塗って、体重の変化や糖尿病のリスクに関してのデータを分析したところ、紫外線を当てた時のように、体重の増加が緩やかになり、糖尿病リスクも低くなっていました。
研究チームでは、毛皮に覆われたラットで見られた現象を、ヒトに対してそのまま当てはめるわけにはいかないものの、今後研究を進めて、生活習慣病の予防に役立てられるかを検証する価値は十分あるとしています。
紫外線の害を過度に恐れることなく、適度にお日様のもとに出るようにすることが、健康管理に役立つかもしれませんね。
▼外部リンク
・Ultraviolet Radiation Suppresses Obesity and Symptoms of Metabolic Syndrome Independently of Vitamin D in Mice Fed a High-Fat Diet
・Sunshine slows weight gain, study finds