■薬歴や患者との会話で判断
日本医療機能評価機構は10月30日、2013年の薬局ヒヤリ・ハット事例をまとめた集計結果を公表した。昨年の薬局におけるヒヤリ・ハット事例の報告件数は5820件で、そのうち医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した疑義照会関連の事例が前年に比べて3・2%増加し、全体の13・4%となった。新たに同種同効薬の重複処方に関する事例も取り上げ、消化性潰瘍用剤等で患者が服用中の薬との重複が大部分を占めた。
13年に報告されたヒヤリ・ハット事例は、調剤関連が5017件(86・2%)、疑義照会関連が782件(13・4%)、医薬品の販売関連が6件(0・1%)等となった。そのうち疑義照会関連のヒヤリ・ハット事例は前年の10・2%から3・2%増加した。
疑義があると判断した理由を見ると、「処方箋と薬局で管理している情報で判断」が401件(51・3%)と最も多く、処方箋以外の情報も活用して判断している事例が約7割を占めた。このように薬局薬剤師が疑義照会を行ったところ、薬剤変更となった事例が271件(34・7%)、薬剤削除となった事例が232件(29・7%)に見られ、処方箋だけを見ている業務ではエラーを発見できないことが明らかになった。
一般名処方に関するヒヤリ・ハット事例を分析したところでは、昨年報告された5820件のうち275件(4・7%)となった。調剤に関する事例243件の内訳を見ると、薬剤取り違えが51・0%と多く、次いで規格・剤形間違いが24・3%となった。
一般名処方の薬剤取り違えの内容を見ると、同じ一般名の医薬品と取り違えた事例が68・5%、その事例を詳しく分析したところ、先発品と後発品の取り違えが75・3%と最も多かった。
今回、新たに同種同効薬の重複処方に関するヒヤリ・ハット事例の分析を行った。
報告件数は126件(2・2%)で、疑義照会から報告された事例が105件(83・3%)と圧倒的に多かった。重複した同種同効薬の主な薬効の種類、報告回数は、消化性潰瘍用剤が68回、その他のアレルギー用薬が46回と多かった。事例の内容は、患者が服用中の薬との重複が100件(79・4%)と大部分を占めた。