医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 3Dマトリックス 開発中の創傷治癒材に関し、米子会社がFDAに市販前届を提出

3Dマトリックス 開発中の創傷治癒材に関し、米子会社がFDAに市販前届を提出

読了時間:約 1分3秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年11月04日 PM09:45

自己組織化ペプチド技術による新規創傷治癒材

株式会社スリー・ディー・マトリックスは10月23日、同社の米国子会社である3-D Matrix Inc. が10月22日付で米国食品医薬品局()に対し、創傷治癒材(開発コード:TDM-511)の医療機器販売を目的とする市販前届 510(k)を提出した発表した。


この画像はイメージです

TDM-511は自己組織化ペプチド技術を用い、スリー・ディー・マトリックスグループが開発を進めている創傷治癒材。自己組織化によるナノファイバー化で形成されるゲルが、表皮や表皮・真皮の創傷部を被覆し出血を素早く止める仕組みとなっている。さらにペプチドゲルが損傷した皮膚組織に対し、再生環境をもたらすことから、創傷の治癒が促進され、該当部位に傷跡が残りにくいという特徴も持っているという。

申請は市販前届 510(k)で行われており、FDAがその内容から既に承認している医療機器と申請品目との本質的同等性を90日以内に確認し、承認を行えば、販売が認可されることとなる。

抗がん剤混合で皮膚がんへの応用も

スリー・ディー・マトリックスは、このTDM-511により、皮膚再生分野への本格的参入を行う。当初の適応では、熱傷や褥瘡等の軽度から中度の皮膚創傷を対象としているが、段階的には美容整形分野への適用拡大も視野に入れているという。

さらに、このTDM-511に抗生物質や抗炎症剤などを混合することで、皮膚損傷部の感染症や炎症を抑えるといった治療にも利用可能であり、局所投与による薬剤毒性の低下傾向から、抗がん剤を混合して皮膚がん治療へと応用していくことも検討するとしている。

▼外部リンク
株式会社スリー・ディー・マトリックス ニュースリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大
  • 国内ASD患者の約30%で病的バリアント候補検出、全ゲノム解析で-名大
  • 乳がんTP53シグネチャーを用いた簡便な予後診断法を開発、特許取得-東北大
  • 胃がんの新たな治療標的発見、予後悪化にヒストンラクチル化が関与-科学大ほか
  • 白血病関連遺伝子ASXL1変異の血液による、動脈硬化誘導メカニズム解明-東大