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iCeMS 精子・卵子を産み出す細胞分裂で重要となるタンパク質を明らかに

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2014年10月31日 PM02:15

タンパク質脱リン酸化酵素PP4が重要な役割

物質-細胞統合システム拠点()は10月24日、Peter Carlton准教授らの研究グループが、精子と卵子を産み出す細胞分裂の減数分裂において、タンパク質脱リン酸化酵素PP4が重要な役割を果たすことを発見したと発表した。この研究成果は、英科学雑誌「PLOS Genetics」に10月23日付で掲載された。


画像はプレスリリースより

精子・卵子が作られる過程における減数分裂での異常は、1倍体以外のゲノムDNAを産み出してしまうこととなり、こうした場合では受精しても流産や死産、ダウン症など染色体異常児の出産につながることが知られている。

研究グループは、この減数分裂におけるメカニズムをより詳しく明らかにするため、卵母細胞が豊富なモデル生物線虫を用いた実験を行い、どのようなタンパク質が必須となっているのかを探ったという。

ヒトでも共通、不妊治療に新たな知見

その結果、研究グループは、ヒトを含めた幅広い生物種で共通に保存されているタンパク質脱リン酸化酵素PP4が、減数分裂前期における染色体のふるまいを制御する、重要な役割を担っていることを見出したという。

減数分裂前期において、父由来、母由来の相同な染色体同士が隣接し、相同組み換えを起こすことによってキアズマを作り出す。だがPP4を欠損した卵母細胞では、この相同染色体同士が並ぶ段階と、相同組み換えを起こす段階のそれぞれで独立した不具合を生じ、異常な卵子の形成を引き起こしていた。また、若い線虫と老いた線虫では傾向が異なり、老いた線虫において特にPP4の働きが重要であることも確認されたという。

研究グループでは、今回重要な役割を果たすことが確認されたPP4は、ヒトでも保存されているものであることから、不妊を考える上で、新たな知見をもたらすものといえるとしている。

▼外部リンク
京都大学 物質-細胞統合システム拠点 ニュースリリース

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