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遺伝子変異も原因のひとつ?糖尿病への新たなアプローチに期待

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2014年10月30日 AM09:00
生活習慣以外に遺伝子も影響

2型糖尿病は、生活習慣病としてとらえられることが多い病気ですが、実は遺伝的な要素もその発症に強く関わっているといわれています。今回、病気のメカニズムをターゲットにした治療薬の効果検証をスウェーデンのルンド大学が発表しました。


この画像はイメージです

スウェーデンでは、人口の30%が、変異したADRA2Aという遺伝子を持っており、糖尿病の患者さんの間では、特にその割合が高くなっています。2型糖尿病の患者さん40万人のうち、40%が変異型ADRA2Aを持っているのです。変異型ADRA2Aの影響は、ストレスによって現れやすいのが特徴で、細胞がインスリンを分泌する量が低下することにより、糖尿病の症状を起こすようになります。

これまでの糖尿病の研究や治療の多くは、症状に対して行われてきました。遺伝子情報が関わることは古くから知られてはいましたが、これに対する治療のアプローチは確立していなかったのです。

新たな可能性を秘める薬が臨床試験段階に

この遺伝子情報に対する薬として、可能性を秘めるのが「Yohimbin」というもの。動物実験では、遺伝子が原因となるインスリンの分泌を解消することが確認されており、人間の細胞についても実験室内では確認されています。

今回の報告は、実際の糖尿病の患者さんにYohimbinを使った臨床試験の結果です。2型糖尿病の患者さん50人を対象としており、このうち、29人が変異型ADRA2Aを持っていました。全員に対して糖負荷試験を行ってみると、予想通り、変異型ADRA2Aを持っている患者さんではこの遺伝子を持っていない人に比べ、インスリンの分泌が25%劣っていました。

この50人の患者さんにYohimbinとプラセボで試験を行ってみると、変異型ADRA2Aを持っていた患者さんのインスリン分泌は、変異型ADRA2Aを持っていない患者さんと同じレベルまで改善されたそうです。現在は、高血圧などの副作用が報告されているため、臨床で使われるようになるのは、まだまだ先になりそうですが、新たなアプローチとして注目が集まっています。

▼外部リンク
Personalised treatment for stress-related diabetes
Genotype-based treatment of type 2 diabetes with an α2A-adrenergic receptor antagonist

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