小型霊長類のコモンマーモセットで
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は10月21日、ヒトの脳卒中を再現した実験動物の開発に成功したと発表した。
画像はプレスリリースより
これは、同センター神経研究所モデル動物開発研究部のサンドラ研究員と関和彦部長らの研究グループによる研究成果で、国際脳研究機構発行の学会誌「Neuroscience」に掲載される。
小型の霊長類であるコモンマーモセットにおいてヒトの脳深部の脳卒中を再現することに成功したもので、プレスリリースでは
研究で確立した技術を応用すれば、ヒトにおける様々なタイプの脳卒中をマーモセットにおいて再現し、それぞれに対する治療方法の確立に貢献する事が期待されます。
と述べられている。
新たなリハビリ法の開発に期待
研究グループは、四肢の運動制御に欠かすことができない領域である脳深部の内包に血液を送る前脈絡叢動脈を閉塞することによって、運動機能に限定した障害が引き起こされることを確認したという。
これまでに開発されていた動物モデルのほとんどはラットやマウスといったげっ歯類であるため、治療法確立は困難であった。今回開発されたモデル動物を用いて、新たなリハビリ法開発につながることが期待される。