国立循環器病研究センターとの共同研究により
株式会社ビー・エム・エルは10月20日、家族性高コレステロール血症(FH)の診断と治療に関する検査法として、その原因となるPCSK9蛋白質の血中濃度を測定する「サンドイッチELISA検査」を開発したことを発表した。
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これは独立行政法人国立循環器病研究センターとの共同研究によるもの。研究成果は、「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に、10月15日付で掲載されている。
PCSK9は、生体で血中コレステロール量を調節する肝臓のLDL受容体の分解に関わっており、FHの原因のひとつであることが分かっていた。
また、このPCSK9が血中において、LDL受容体分解活性を持つ「成熟型 PCSK9」と、プロセッシング酵素のfurinによって切断されたLDL受容体分解活性の低い「切断型 PCSK9」として存在することも判明していたが、これまではこうした2つの異なる存在の仕方をとる臨床的意義が不明であったほか、これらを分けて測定することも不可能だった。
高脂血症との関わりも明らかに、治療薬開発にも応用可能
今回、ビー・エム・エルと国立循環器病研究センター病態代謝部の共同研究により、この成熟型と切断型という2種類のPCSK9を測定することが可能となったほか、高脂血症に関与しているという生体での意義も明らかにされたという。
開発されたPCSK9蛋白質定量検査では、血中PCSK9の「成熟型 PCSK9」と「切断型 PCSK9」を別々に定量したデータを得ることができる。同社らはこの測定法に関し、特許を出願中であるという。今後は、PCSK9分子抗体薬などの高脂血症治療薬における薬効機序の解明や、その効果予測などで応用が見込まれている。
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・株式会社ビー・エム・エル ニュースリリース