承認されれば初の治療薬に
アレクシオン ファーマは10月16日、低ホスファターゼ症(HPP)に対する標的酵素補充療法で用いるファースト・イン・クラスの薬剤として開発中である「アスホターゼ アルファ」について、HPPを適応とする承認申請を行ったと発表した。
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HPPは、骨石灰化不全を特徴とする遺伝性、慢性及び進行性のきわめて稀な代謝性疾患で、骨破壊・変形、重度の筋力低下、けいれん発作などがみられるほか、呼吸不全や早期死亡に至るケースもあることが知られている。
発症は組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)の遺伝子コード変異による。HPPに対しては、これまでに承認された治療薬がなく、今回の申請が承認されれば、初の治療薬が誕生することとなる。
3つのピボタル試験と自然経過観察試験のデータを提出
今回の申請においては、新生児から66歳までの日本人患者を含む71人のHPP患者を対象として実施された3つのピボタル試験であるプロスペクティブ試験と、その延長試験のデータが提出されている。また、乳児を対象としたレトロスペクティブな自然経過観察試験によって得られたデータも資料に含まれているという。
アスホターゼ アルファは、酵素補充療法を標的とした薬剤で、HPPの根本原因である遺伝的欠損のある代謝過程を正常化することによって、ミネラル代謝調節障害による重篤かつ致死的な合併症を予防・治療するもの。今年9月に厚生労働省より稀少疾病用医薬品の認定を取得しており、承認申請においては優先審査がなされる。承認後のHPPを適応とする再審査期間は10年になるという。
海外では、米国食品医薬品局(FDA)が昨年、画期的治療薬に指定した。その後今年4月にアレクシオンがFDAに申請を行っている。また7月には欧州でも販売承認申請を行っており、欧州医薬品庁(EMA)から迅速審査指定を受けている。
▼外部リンク
・アレクシオン ファーマ プレスリリース