2型糖尿病薬の「テネリア」、前立腺癌治療薬の「イクスタンジカプセル」で改訂指示
10月21日、厚生労働省医薬食品局は日本製薬団体連合会に、新たな副作用や禁忌扱いの薬剤との併用などが確認された医療用薬に対し、使用上の注意を改訂するよう指示した。
2型糖尿病薬のテネリア(一般名:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)では、副作用の「重大な副作用」の項に以下を追記する。
肝機能障害:AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
ほか、前立腺癌治療薬のイクスタンジカプセル(一般名:エンザルタミド)は、副作用の「重大な副作用」の項に以下を追記する。
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
アセトアミノフェンは他の薬剤との併用に関する記載を追記
バンコマイシン塩酸塩は経口剤ならびに注射剤で通知が出ている。
経口剤では[副作用]の「重大な副作用」の項の注射用製剤で報告されている副作用に関する記載を、
注射用バンコマイシン塩酸塩製剤で、アナフィラキシー、急性腎不全、間質性腎炎、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、剥脱性皮膚炎、薬剤性過敏症症候群、第8脳神経障害、偽膜性大腸炎、肝機能障害、黄疸があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
と変更。注射剤では、副作用の「重大な副作用」の項で、
薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
の追記を指示した。
また、アセトアミノフェンに関しては特定使用成績調査の結果から、[警告]の項のアセトアミノフェンを含む他の薬剤との併用に関する記載を、
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。(「重要な基本的注意」及び「過量投与」の項参照)
と改め、[重要な基本的注意]の項に、
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、特に総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないか確認し、含まれている場合は併用を避けること。また、アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。(「警告」及び「過量投与」の項参照)
と追記するよう指示している。(QLifePro編集部)
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