日本人特有の要因が心的負担を増加
京都大学は10月16日、日米の糖尿病患者を対象に調査を行い、日本人特有の協調性の重視が糖尿病患者の心の負担を増加させる要因になっていると発表した。
画像はプレスリリースより
これは、同大医学部附属病院の池田香織特定助教、同大大学院 医学研究科の稲垣暢也教授らが、同大こころの未来研究センターの内田由紀子特定准教授、高知大学医学部の藤本新平教授、米Delaware universityのBeth Morling准教授と共同で行った調査で明らかになったもの。研究成果は科学雑誌「PLOS ONE」に10月15日付で公開されている。
具体的な療養方法の開発目指す
この研究では、京都大学医学部附属病院とDelaware university関連の基幹病院において、外来受診患者を対象に、協調性の程度、身近な周囲の人から受ける心のサポートや糖尿病から生じる心の負担をたずねる質問紙調査を実施。
その結果、日本人患者には協調性を重視する人ほど、糖尿病による心の負担を強く感じる傾向があること、身近な人からの心のサポートを強く実感している人では、この負担感が小さいことが判明したという。
池田特定助教と内田特定准教授は、実施している日本人糖尿病患者において効果的な治療方法を探る研究において、今後、より具体的な療養方法の開発につなげることを目指すとしている。
▼外部リンク
・京都大学 プレスリリース