NK1受容体拮抗剤と5-HT3受容体拮抗剤を配合
エーザイ株式会社は10月14日、米国においてHelsinn Healthcare S.A.が、制吐剤「AKYNZEO(R)(一般名:netupitant/palonosetron)」について、催吐性を有するがん化学療法(高度な催吐性を有する化学療法に限定されない)による急性及び遅発性の悪心・嘔吐(CINV)の予防の適応で、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。
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今回の承認は、高度・中等度の催吐性がん化学療法を受けている多様ながん腫の患者を対象とした第2相及び第3相臨床試験の結果に基づくもの。同剤は、がん化学療法に伴う悪心・嘔吐にかかわる2つの神経伝達経路をターゲットとした新規の経口制吐剤であり、NK1受容体拮抗剤「netupitant」と5-HT3受容体拮抗剤「palonosetron(製品名:Aloxi(R))」が配合されている。
CINVはがん化学療法における最も一般的な副作用のひとつで、その予防や管理には有効な薬剤や明確なガイドラインがあるにもかかわらず、未だ多くの患者が苦しんでいる。CINVの予防や管理には、複数のメカニズムの制吐剤の併用が推奨されており、同剤は2つの制吐成分を1つの経口配合剤として、患者に提供できるよう開発されたという。
2014年1月にはEMAが評価を開始
同剤の米国おける販売は、2010年6月にエーザイとHelsinn社が締結したライセンス契約に基づき、エーザイの米国子会社エーザイ・インクとHelsinn社の米国子会社Helsinn Therapeutics U.S. Inc.の2社が共同販促を行い、売上げはエーザイ・インクに計上される。
また、同剤の承認申請は世界各国で進められている。欧州では、2014年1月に欧州医薬品庁(EMA)が、Helsinn Healthcare S.A.社が提出したnetupitantとpalonosetronの配合剤の、急性・遅発性の悪心・嘔吐の予防効能の販売承認申請の評価を開始している。
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース