米国における慢性便秘症治療薬の特許侵害訴訟について
株式会社アールテック・ウエノは10月10日、同社とSucampo Pharmaceuticals, Inc.(以下、スキャンポ社)並びに武田薬品工業株式会社が、Auchen Pharmaceuticals, Inc.、Par Pharmaceuticals, Inc.及びPar Pharmaceuticals Companies, Inc.(以下、併せてPar社)との間で、「AMITIZA(R)(一般名:ルビプロストン)」に関する米国内での特許侵害訴訟を終結させる和解とライセンス契約を同日付で締結したと発表した。
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AMITIZAは、小腸の細胞に現れるtype-2クロライドチャネルの局所性活性化物質。腸管内への腸液分泌を促し、便を柔軟化してその輸送を高め、排便を促進する。type-2クロライドチャネルはタイトジャンクションの修復、防御機能の回復にも重要な役割を果たすと考えられている。
訴訟は「AMITIZA8μgソフトカプセル」「AMITIZA24μgソフトカプセル」をめぐるもの。和解契約でアールテック・ウエノとスキャンポ社は、特定の適応に対する同剤の後発医薬品を、Par社が米国内で販売することを非独占的に許諾することとなった。
開始日は2021年1月1日、または特定の状況下ではそれ以前の日になる。2021年1月1日以降、Par社は契約期間中の該当する後発医薬品で得られた粗利益を、スキャンポ社の保有する各特許が失効するまでの間、同社と分割する。
なおPar社が、オーソライズドジェネリックを販売することとした場合には、製造供給契約の規定により、スキャンポ社がPar社に同剤を別に協議した価格で供給する。合意内容に関するその他詳細は、非開示事項とされた。
医薬品簡略承認申請に関する新たな書面も受領
スキャンポ社はこの後発品について、販売等の承認を求め、Dr. Reddy’s Laboratories, Inc. (以下、Dr. Reddy’s)から米国食品医薬品局(FDA)に提出された医薬品簡略承認申請についてのパラグラフ4証明通知書面を受領したことも発表した。アールテック・ウエノも同じ通知書面をDr. Reddy’sから受け取っている。
書面については現在、スキャンポ社がその内容を精査中で、45日以内にDr. Reddy’sに対する特許侵害訴訟を提起した場合には、通知日から30か月間が経過した日、あるいは特許権無効・特許権非侵害を認める裁判所の判決日のいずれか早い日まで、FDAはこの医薬品簡略承認申請を停止する。スキャンポ社のAMITIZA製品は、15件の特許で保護されており、全ての特許存続期間が満了するのは2027年とされている。
▼外部リンク
・株式会社アールテック・ウエノ プレスリリース