従来比2/3の期間で作製可能に
富士フイルム株式会社は10月9日、同子会社でバイオ医薬品の受託製造会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies USA.,Inc.(FDBU)とFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)が、高生産性細胞作製技術「Apollo(TM)(アポロ)」を開発したと発表した。
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同技術は、バイオ医薬品の量産に適した動物細胞株を同社従来比の約2/3の期間で作製することを可能としたという。また、この動物細胞株を用いることで、培養タンク1Lあたり、同社従来比約5倍のタンパク質産生を実現したとしている。
開発初期段階から商用生産に至るすべての段階で使用可能
Apolloによって生産されるバイオ医薬品は、遺伝子を組み換えた微生物株や動物細胞株に産生させたタンパク質などを活用した医薬品であり、中でも抗体医薬品は薬効面と安全面の両立性の高さから市場が拡大している。FDBUとFDBKはバイオ医薬品の受託製造によって、細胞培養技術やノウハウを長年培っており、これを活用して同技術を開発したという。
ニュースリリースでは、同技術の特徴として
- 使用実績豊富で安全性の高い細胞(DG44細胞)の選択
- 独自開発したベクターを用いた遺伝子組み換え技術
- 性能の良い細胞株を迅速にスクリーニングする技術
- 動物由来成分を含まないため安全性が高く、かつ細胞培養特性に優れた培地の開発
が挙げられている。
同技術を活用して作製した動物細胞株は、抗体医薬品の開発の初期段階から臨床試験、商用生産に至るすべての段階に使用できるという。FDBUとFDBKは今後、バイオ医薬品の開発期間の短縮化を図り、革新的なバイオ医薬品の早期創出に貢献していくとしている。
▼外部リンク
・富士フイルム株式会社 ニュースリリース