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第47回日本薬剤師会学術大会、薬剤師機能向上を目指して―山形で第47回日薬学術大会開く

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2014年10月15日 AM09:45

第47回日本薬剤師会学術大会が、「オール薬剤師の新たなあゆみ―出羽の国 やまがたから発信」をメインテーマに12、13の両日、山形市内で開催された。全国から約6000人の薬剤師が参加。山形県での学術大会の開催は、今回が初めてで、一般演題は547題(口頭205題、ポスター342題)と過去の学術大会並みの演題数が集まった。各会場では薬剤師の17の分科会が繰り広げられ、高度化する医療の中で、チーム医療への参画や在宅医療、さらには地域健康拠点としてのセルフメディケーションの推進など薬局、薬剤師が果たす役割について、積極的な討論が繰り広げられた。

山本日薬会長

■全国から多くが参集

初日の開会式であいさつした山本信夫日薬会長は、学術大会開催は大都市でなくては難しいとの声もあるとした上で、「今年の(山形の)学術大会はそうした声を掻き消す新しい一歩を踏み出すにふさわしく、開催都市の大きさにかかわらず、薬剤師の思いを結集する意気込みがあれば、開催できることを実証していると思う」と今大会への思いを語った。

また、各分科会のテーマについては、「これらは薬剤師に向けられた社会からの指摘を真正面に受け止め、一つひとつの課題に、真摯に応えようとする姿勢を明確にしたもの。参加者による活発な討論を通じ、薬剤師のあるべき姿に向かって、明日からではなく、今日から自ら目指すべきゴールを目指して、歩みをはじめることと思う」とした。

大会運営委員長の服部智彦氏(山形県薬剤師会会長)は「今、薬剤師を取り巻く状況は順風満帆ではなく、いろいろな問題を抱えているが、それら一つひとつに対面で応え、地域医療の一員として、チームで国民・県民にかかわることが非常に大事。学術大会の成果を日頃の薬剤師活動に生かしてもらいたい」と述べた。

来賓あいさつでは、成田昌稔大臣官房審議官が塩崎恭久厚生労働大臣の祝辞を代読。厚労省として薬局や薬剤師を活用した健康情報拠点の推進でモデル事業を開始しているが、来年度の概算要求でも同モデル事業をさらに充実発展させる経費を計上し、薬局や薬剤師の新たな取り組みを支援する方針を示すなど、同事業を活用したセルフメディケーション推進への期待を求めた。

文部科学副大臣の藤井基之氏は、昨年12月に示された改訂薬学教育モデルコアカリキュラムについて触れ、「新たなコアカリキュラムでは医療人としての高い使命感や倫理観、そして薬の専門家としての地域やチーム医療で活躍できる薬剤師の養成を目指している。特に薬剤師業務の意義を学ぶ実務実習は、大変重要な役割を担う」とし、次世代を担う薬剤師の育成に協力を求めた。

なお、来年の第48回大会は、鹿児島のシンボル桜島をイメージし「噴き上がれ!湧き上がれ!私たちの熱き思い―地域に求められる薬剤師として」をテーマに11月22、23日に開催される。

引き続き行われた各賞受賞者表彰式では、7人に日本薬剤師会賞、11人に日本薬剤師会功労賞、1団体に日本薬剤師会有功賞がそれぞれ贈られた。

■門内薬局への対応求める‐都道府県会長協議会

●調剤ポイント禁止の徹底も
11日には、今年度第3回「都道府県会長協議会」が開かれ、長野県の代表者が医療機関の敷地内に開設される薬局について、「こうしたことは、われわれが進めている医薬分業に相反すること」とし、日薬に対応を求めた。

担当の安部好弘常務理事は、「それが新たなビジネスモデルのようになることを大変危惧している」との認識を示す一方で、保険薬局の指定に関する個別の案件については、「厚生局、地域の状況を踏まえ、見ていくしかない」とした。

その上で、「今後、地域で医療・介護をやっていくという時に門内、医療機関内の薬局が必要かどうかというと、私は必要ないと思っている」と述べ、関係各局と門内薬局の問題に対応していく考えを示した。

福島県の代表者からは、調剤ポイント付与問題への対応を求める声が上がった。

9月に東北6県の薬剤師会で組織する「連合会」の正副会長会で決議した「ポイント付与の即時禁止に向けた対応について」を紹介し、保険薬局および保険薬剤師療養担当規則によって禁止されているにもかかわらず、「まだ改善が見られない」と指摘。厚労省に対して、規律違反となる調剤ポイント付与禁止の徹底を働きかけるよう求めた。

安部常務理事は、「いまだにポイントを付与している薬局があるということは認識しているし、遺憾だと思っている」とし、関係各省に対応を求めていく考えを示した。

服部大会運営委員長
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