薬物治療の悩み「眠気」「意欲減退」「だるさ」
抗てんかん薬の副作用で、てんかん患者の3人に1人が日常生活に支障を感じる、という回答していることが分かった。これは、グラクソ・スミスクライン株式会社が実施した、てんかんに関する患者・医師意識調査によるもの。てんかん患者300人と月1人以上のてんかん患者を診療している医師を対象に行われた。
抗てんかん薬の副作用で、日常生活に支障を「いつも感じる」と回答した患者は8.3%だった。また、薬物治療で悩まされる点について、「眠気が強い」との回答が最も多く22.5%。次いで「意欲・やる気減退」、「体がだるい」の順となった。
非専門医/専門医で薬物治療の課題認識に差
一方、医師側の副作用の確認頻度はそう高くないことが明らかになった。米国神経学会では抗てんかん薬による副作用は診察ごとに確認することが望ましい、とされているが、「年4回以上」副作用を確認しているのは約半数にとどまっている。
さらに、医師側に「抗てんかん薬の処方について困っていること」を聞いたところ、「新規抗てんかん薬は併用でしか使えない」ことが最も多かった。また、非専門医と専門医では、「発作型が判別できず適切な薬が処方できない」(専門医3.2%、非専門医30.0%)、「種類が多い」(同9.7%、24.3%)、「効果がわかりづらい」(同3.2%、21.9%)など、課題の感じ方の差が大きく現れている。
今回の調査の監修を行った、東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野の中里信和教授は、「新規抗てんかん薬の登場によって、副作用を抑えながら発作をコントロールすることができるようになっています。医師における情報収集の消極性は患者の不利益につながる恐れがあります」と警鐘を鳴らした。(QLifePro編集部)
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・グラクソ・スミスクライン株式会社 ホームページ