約4割のてんかん非専門医が連携不足を実感
てんかん治療の診療連携には診療科や専門性による差が大きく、非専門医は他院との連携が弱いことが、てんかん診療を行う医師を対象にした調査で明らかになった。これは、グラクソ・スミスクライン株式会社が東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野の中里信和教授監修のもと、てんかん患者ならびに、月1名以上のてんかん患者を診療する医師に対しておこなった意識調査によるもの。
てんかん専門医との連携がとれているかどうかについて、てんかん専門医の約16%が「できていない」と回答している一方で、てんかん非専門医の約4割が「できていない」と回答した。また、他院や専門医の紹介状況について、専門医は全員が「よくある」または「時々ある」と回答した一方、非専門医は約半数が「あまりない」「まったくない」と回答した。
「診断・治療は自分で対応できる」から紹介に消極的
「紹介しない」と回答した非専門医に理由を聞いたところ、「発作のコントロールができているから」「治療・診断は自身でできるから」という回答が上位を占め、自身で対応できるゆえに、紹介しないと考えている様子がうかがえる。また、てんかん患者を支える地域診療連携の推進を目的としたネットワークについて、専門医の約8割が「よく知っている」と回答した一方、非専門医の約4割が「知らない」と回答し、認知が低いことが明らかになった。
この結果について、中里教授は「てんかん専門医の数は限られている中で、最適な医療を提供するには、専門医と地域プライマリケア医とのネットワーク構築を加速させ、医師の役割分担を明確化することが重要です」とコメントした。(QLifePro編集部)
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