複数の国、機関から提供要請受ける
富士フイルム株式会社は10月6日、同社の抗インフルエンザウイルス薬「アビガン(R)錠(一般名:ファビピラビル)」を投与されたエボラ出血熱患者であるフランス人女性看護師が治癒し、10月4日に退院したと発表した。
画像はwikiメディアより引用
同社は、フランス政府機関であるFrench National Agency for Medicines and Health Products Safety(ANSM)から依頼を受け、フランス人女性看護師の治療用として、日本政府と協議の上、緊急対応として同剤を提供した。
日本政府はエボラ出血熱の感染拡大について、国内の企業が開発した治療に効果の見込める薬を提供する準備があることを表明しており、現在、同剤はフランスやドイツのみならず複数の国、機関などから提供要請を受けているという。
ギニアにおいて臨床試験の実施を検討
アビガン錠は、富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が開発した薬剤で、国内では抗インフルエンザウイルス薬として今年3月に薬事承認を取得している。
10月4日には、シエラレオネ共和国で医療活動に従事している中、エボラ出血熱ウイルスに感染したウガンダ人男性が、治療のためにドイツ、フランクフルト大学病院に搬送され、同剤を投与された。この投与は、ドイツからの提供依頼に対し、日本政府と協議の上で緊急対応したもの。
フランス政府とギニア政府は11月からギニアで、エボラ出血熱に対する同剤の中規模の臨床試験を実施することを検討し、同剤の提供について協力を依頼している。これについて同社は今後、日本政府、フランス政府、ギニア政府と協議しながら協力していくとしている。
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・富士フイルム株式会社 ニュースリリース