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厚生労働省、デング熱対策へ予防指針―ワクチン開発推進も規定

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2014年10月10日 AM10:00

厚生労働省は、デング熱等の蚊が媒介する感染症の予防に向け、新たに指針を策定することを決めた。各自治体で蚊対策の知見や経験が乏しいことから、平時や発生時の蚊対策を充実させるため、総合的な予防対策を進めることが必要と判断した。指針策定に当たっては、厚生科学審議会感染症部会のもとに小委員会を設置し、指針案をまとめる。来年3月をメドに告示の予定。8日の感染症部会で了承された。

デング熱をめぐっては、8月末に約70年ぶりの国内感染が確認され、これまでに約150人の感染者が発生している。

厚労省は、蚊を媒介した感染症のまん延防止のためには、平時からの蚊対策や患者の的確な診断、適切な医療の提供、発生時の的確な蚊対策などが重要としながらも、最近は平時の蚊対策を行うことが極めて少なく、各自治体でも蚊対策への知見や経験が乏しい。このため、蚊を媒介した感染症対策の充実が必要と判断。新たに予防指針を策定して総合的に対策に取り組むことを決めた。

指針の概要案によると、デング熱等の感染症の積極的疫学調査の実施による情報収集、解析による原因究明、平時の蚊対策や予防策の国民への普及啓発を行う発生の予防・まん延防止、早期発見・治療のための医療機関への情報提供、ワクチン・治療薬開発をはじめとする研究開発の推進などを盛り込む予定。

今後、厚労省は、新たに厚科審感染症部会のもとに「蚊媒介性感染症に関する小委員会」を設置し、指針案をまとめていく。小委員会でまとめた指針案を感染症部会で検討し、厚労省が指針案を策定。国民からの意見募集を経て、来年3月をメドに告示、適用したい考え。

■エボラ熱対応で専門会議‐未承認薬投与に手順示す

また厚労省は、西アフリカで流行するエボラ出血熱の国内発生を想定し、患者の治療に当たる医師が治療方法や未承認薬の使用等、有事に最善の対応ができる枠組みを作るため、今月中にも専門家会議を開くことを決めた。

エボラ出血熱の流行は、欧州や米国にも拡大し、多数の死亡例が報告されるなど、海外でも日本人の感染患者が発生する危険性が高まっている。ただ、エボラ出血熱の治療法は未だ確立されておらず、日本の富山化学が開発した「ファビピラビル」などの未承認薬が実験的に投与されているのが現状。

そこで厚労省は、エボラ出血熱が国内で発生した場合、医療現場では経験のない治療が求められることから、予め治療に当たる医師が必要な場合に未承認薬を使用できる一定の手順等を定め、有事に最善の対応ができるよう許容できる治療の枠組みを決めておくことにした。

今月中にも、専門家会議の初会合を非公開で開く予定にしている。議論した結果の公開のあり方については検討中。

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