医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 独ベーリンガーの「アファチニブ」 再発・転移頭頸部扁平上皮がんで主要評価項目を達成

独ベーリンガーの「アファチニブ」 再発・転移頭頸部扁平上皮がんで主要評価項目を達成

読了時間:約 1分29秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年10月09日 PM02:30

国際共同第3相臨床試験で病勢進行リスク20%抑制を確認

独ベーリンガーインゲルハイムは9月27日、再発及び/または転移性頭頸部扁平上皮がんの患者を対象とした、アファチニブの有効性・安全性をメトトレキサートと比較検討する第3相臨床試験「LUX-Head&Neck1」の結果を公表、主要評価項目を達成したと発表した。


画像はwikiメディアより引用
Author : Akira Kouchiyama

アファチニブは、日本ではEGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんを適応に、「(R)」として製造販売承認を取得している。頭頸部がんの適応では、いずれの国においても承認されていない。

LUX-Head&Neck1は、19か国483人の患者が参加したランダム化非盲検国際共同第3相試験。プラチナ製剤を用いた治療中あるいは治療後に疾患進行した再発及び/または転移性頭頸部扁平上皮がん患者を、40mg/日 経口投与群と、メトトレキサート40mg/m2/週 静脈内投与群に2対1の割合で割り付けて実施した。

主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、アファチニブ投与群では、メトトレキサート(化学療法)群に比べPFSの有意な延長がみられた。病勢進行リスクにして20%の抑制が確認されたという。

化学療法よりも腫瘍増殖を遅らせる初のチロシンキナーゼ阻害薬として期待

副次評価項目でも、アファチニブは病勢コントロール率を有意に改善し、客観的奏効率も、化学療法群に比較して数値的に高い結果となった。なお全生存期間では、両群間の有意差は認められていないという。

QOL質問票では、アファチニブ群で疼痛の報告が少なく、疼痛や嚥下などの症状、またGlobal Health Status(全般的健康及びQOL)の悪化がみられるまでの期間を遅らせることが可能と示された。化学療法群に比べてアファチニブ群でみられた主な有害事象は、発疹/ざ瘡、下痢、爪囲炎、悪心で、薬剤投与に関連した減量及び投与中止例は、化学療法群よりもアファチニブ群の方が少なかったと報告されている。

これらの結果から、前治療が奏効しなくなった頭頸部扁平上皮がん患者において、不可逆的ErbB阻害剤であるアファチニブの1日1回投与が、化学療法よりも腫瘍増殖を有意に遅らせることができる初のチロシンキナーゼ阻害薬であることが明らかになったとしている。

▼外部リンク
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待