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日本病院薬剤師会、専門・認定薬剤師、各種業務展開に関与―安全・有効な薬物療法支援

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2014年10月03日 AM10:45


■日病薬が調査

専門薬剤師や認定薬剤師が在籍する施設では、非在籍施設に比べて、がん、感染制御、精神科の各領域における薬剤師の様々な業務の実施率が高いことが、日本病院薬剤師会の調査で明らかになった。専門・認定薬剤師は、資格を保有するだけでなく実際に様々な業務展開にかかわり、薬物療法の有効性や安全性の向上を支援していることが推察される結果となった。

日病薬は2005年度から専門・認定薬剤師の認定を開始した。専門・認定薬剤師数の増加に伴う専門領域の業務への寄与を明らかにするために、今回の調査を実施した。

12年度に実施した日病薬の病院薬剤部門の現状調査(4405施設から回答、回収率51・5%)、同13年度調査(4239施設から回答、回収率50・5%)をもとに、専門・認定薬剤師が在籍する施設と、在籍しない施設における各領域の業務の実施状況を比較した。

がん領域ではがん診療を実施している施設、精神科領域では精神科を有する施設、感染制御領域では全ての施設を対象に分析した。

がん領域の専門・認定薬剤師が在籍する施設においては、抗悪性腫瘍薬の調製を全て薬剤師が行っている割合は70・3%となり、非在籍施設の59・0%に比べて高かった。登録レジメンに基づく処方監査の実施率も非在籍施設の72・3%に対して、在籍施設では98・6%と高かった。同処方監査による処方変更件数も、在籍施設の方が上回っていた。

外来化学療法における患者への説明や副作用モニタリング、支持療法の処方提案、薬薬連携など、調製業務以外の業務を実施している割合も、在籍施設の方が高かった。

一方、感染制御領域の専門・認定薬剤師が在籍する施設では95・0%が薬剤部門でTDM解析を実施していた。非在籍施設では57・8%だった。TDMによる処方変更の提案実施率も在籍施設では94・1%、非在籍施設では60・8%と差があり、その提案・変更件数は在籍施設の方が上回っていた。

精神科領域では、過量服薬のチェックや抗精神病薬の適正化に関与している割合、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)の実施率や件数も、在籍施設の方が高かった。

このほか日病薬は、10年の厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」で示された「薬剤師が実施することができる業務」の実施状況の推移についても調査した。

11、12、13年度の日病薬の病院薬剤部門の現状調査をもとに、その推移を比べたところ、同通知で示された業務の実施率が経年的に高くなっていることが明らかになった。また、病棟薬剤業務に割く時間が長い施設ほど、通知で示された業務を実施する割合が高かった。

日病薬は「同通知によって薬剤師の業務展開の方向性が明確になり、必要性の認識が向上したことに加え、病棟薬剤業務実施加算の新設によって、加算の算定の有無にかかわらず、各施設において業務が積極的に展開されていると推察された」としている。

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