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日本イーライリリー 「Ixekizumab」が日本人乾癬患者に対する有効性示す

読了時間:約 1分46秒
2014年10月02日 PM03:15

IL-17Aに特異的に結合、中和するモノクローナル抗体

日本イーライリリー株式会社は9月25日、「」について、中等度から重度の局面型皮疹を有する日本人乾癬患者、乾癬性紅皮症および汎発性膿疱性乾癬の日本人患者を対象として実施した第3相臨床試験(RHAT試験)の結果を発表した。乾癬患者の大多数で改善がみられたほか、乾癬性紅皮症、汎発性膿疱性乾癬の被験者の多くでも、症状の改善が認められているという。


画像はwikiメディアより引用
Author : Bobjgalindo

Ixekizumabは、IL-17Aに高い親和性を持って特異的に結合し、中和するモノクローナル抗体。乾癬において、IL-17Aは過剰なケラチノサイトの増殖と活性化で重要な役割を果たす。皮下注射で投与される同剤については、関節症性乾癬の治療薬としても臨床開発が進められている。

RHAT試験は、単群非盲検試験としてデザインされたもの。被験者にIxekizumabを初回160mg投与し、以後80mgを2週毎に12週目まで投与、その後は4週毎に同量を52週目まで投与している。

中等度から重度の局面型皮疹を有する乾癬患者においては、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)を用いて有効性を評価し、主な解析は12週時点におけるPASI 75達成率(NRI)とし、副次的評価項目はPASI 90、PASI 100とした。

比較的重い乾癬症状で有効性を確認、新たな治療選択肢として期待

被験者は78例で、そのうち74例が24週間の投与を完了し、PASI 75達成率は12週時で98.7%、24週時で91.0%だった。PASI 90達成率では12週時が83.3%、24週時が85.9%、PASI 100達成率では12週時が32.1%、24週時46.2%となっている。有害事象は64例で発現し、最も多かったのは鼻咽頭炎の25.6%、以下、皮疹、注射部位反応、脂漏性皮膚炎で、重篤な有害事象は報告されていないという。

乾癬性紅皮症、汎発性膿疱性乾癬の患者に対する有効性評価には、PASIおよび全般改善度などを用いた。乾癬性紅皮症患者は8例、汎発性膿疱性乾癬患者は5例で、全ての患者で24週間の投与を完了している。

24週時のPASI 75達成率は、乾癬性紅皮症患者で100%、汎発性膿疱性乾癬患者で80%となった。また同じ24週時の全般改善度による症状改善評価では、乾癬性紅皮症患者で消失が12.5%、改善87.5%となり、汎発性膿疱性乾癬患者は消失が40%、改善60%を記録している。このようにいずれの病型群でも、全症例で効果が確認されたという。有害事象は乾癬性紅皮症患者7例、汎発性膿疱性乾癬患者の5例で認められ、最も多い報告は鼻咽頭炎(50%)となっている。こちらも重篤な有害事象はなかったとしている。(紫音 裕)

▼外部リンク
日本イーライリリー株式会社 プレスリリース

 

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