厚生労働省は9月26日、薬事・食品衛生審議会薬事分科会で予定していた武田薬品のインフルエンザb型(Hib)ワクチン「ヴァクセムヒブ水性懸濁注」について、申請時の安全性に関する情報に誤りがあったため、報告を見送った。この日の分科会に報告されれば、承認となるはずだったが、承認は先送りとなった。
同剤は、9月5日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で承認が了承されていたもの。同部会では、ヴァクセムヒブについて、海外での市販後を含めた安全性情報を確認するよう求める意見があったため、申請者の武田薬品が確認したところ、申請時の資料に記載されていた集計期間と実際に集計した期間が異なっていたことが判明。武田薬品が直前の9月24日にデータの誤りを申し出たため、厚労省が分科会の報告事項から削除した。
ただ、現時点では誤りの詳細が不明であるため、厚労省は武田薬品に詳細なデータの提出を求めると共に、データの誤りが安全性にどれだけ影響しているかを調査・確認することとなった。
安全性への影響の度合いによっては、再度、第二部会に報告することもあり得るが、ほとんど影響がない場合でも、次回の分科会に報告するという手続きは踏むという。
ヴァクセムヒブは、1995年にイタリアで承認されて以降、今年6月時点で11カ国で承認されている。類薬として、2007年1月にサノフィのアクトヒブが国内で承認されている。