中外製薬と大正製薬が共同開発する新薬、臨床試験で良好な成績
中外製薬株式会社と大正製薬株式会社は9月22日、両社が骨粗鬆症を対象に日本国内で共同開発を進めているビスホスホネート系骨吸収抑制剤(一般名:イバンドロン酸ナトリウム水和物、中外製薬開発コード「RG484」、大正製薬開発コード「CT-064」)経口剤について、第3相臨床試験における良好な結果が得られたことを発表した。
画像はwikiメディアより引用
この臨床試験は、多施設共同無作為化実薬対照二重盲検比較試験としてデザインされたもので、腰椎の骨量増加を有効性評価としている。対照薬はイバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(販売名:ボンビバ(R)静注1mgシリンジ)。試験の結果、イバンドロン酸ナトリウム水和物経口剤の対照薬に対する非劣性が示され、骨粗鬆症に対する有効性が確認できたという。詳細は、今後論文および学会などで発表する予定だ。
来年にも承認申請実施予定
開発中の経口剤および「ボンビバ静注」は、いずれもF. ホフマン・ラ・ロシュ社が開発したビスホスホネート製剤で、強い骨吸収抑制作用を有する薬剤として知られる。アドヒアランスおよび有用性向上を図るため、より投薬頻度の少ない投与方法の開発などが積極的に進められており、月1回投与の経口剤、3か月に1回投与の注射剤が海外110か国以上で承認されている。また、米国では予防薬としての月1回投与経口剤も販売されている。
日本国内では、リセドロン酸ナトリウム水和物を対照として実施したMOVER試験などの結果をもとに、開発が先行する「ボンビバ静注」で、中外製薬が2013年6月、骨粗鬆症を適応とする製造販売承認を取得、同年8月より大正富山医薬品株式会社と共同販売を行っている。
国内の骨粗鬆症患者数は、現時点で約1,280万人以上と推定されており、骨折による寝たきりを予防するなど、患者のQOL維持および改善のため、骨量を増やし骨折の発生を抑制する薬剤が求められている。
中外製薬と大正製薬では、今回有効性が確認されたイバンドロン酸ナトリウム水和物経口剤について、来年2015年にも承認を申請する予定としている。(紫音 裕)
▼外部リンク
・中外製薬株式会社 ニュースリリース
・大正製薬 ニュースリリース