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日本医療機能評価機構、後発品知識不足で誤投与―評価機構が報告書

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2014年09月29日 AM09:42


■販売名違いの同成分知らず

日本医療機能評価機構は、今年4月から6月までの医療事故情報等をまとめた報告書を公表した。新たなテーマとして、後発品に関する知識不足により、救急入院時から持続点滴されていた蛋白分解酵素阻害剤の後発品「ナオタミン」と「ナファモスタットメシル酸塩」が同成分と気づかず、点滴漏れによる皮膚の色調変化に対応が遅れた事例等、2件が報告された。

後発品の使用促進策を受け、各医療機関で後発品採用がされる一方、後発品には複数の販売名があったり、薬剤の名称が似ていることから、異なる成分の薬剤を後発品と思い込んでエラーとなった医療事故事例が報告されている。

今回、適切な薬物療法が行われなかった背景に、医療関係者の後発品に関する知識不足があった事例が2件報告された。同機構ではこうした事例に着目し、これまでに報告された7件を後ろ向きに分析した。

報告された事例では、医師が抗生剤の「ロセフィン中止」を先発品名で指示したが、薬剤部から届いた薬剤名は、院内採用薬の後発品「セフトリアキソンアトリウム静注用1g」であり、指示を受けた看護師も実施した看護師も、それがロセフィンの後発品と知らずに投与を続け、主治医が気づいて看護師長に報告、判明した。

また、前医からの紹介で血液透析後にシャトン手術を予定し、抗凝固剤「コアヒビター30mg」を用いて血液透析を開始、その直後にけいれん発作、眼球上点などがあり、透析を中止して蘇生措置を行った事例では、前医が後発品「オプサン」(一般名:ナファモスタットメシル酸塩)禁止と情報提供したが、透析実施施設の採用薬は後発品「コアヒビター」であり、医師が二つの薬剤が同成分と知らずに異なる成分と判断、禁忌薬を投与した。

一方、薬効が違う薬剤を後発品と思い込んだ事例では、救急外来の患者に整形外科医師が生食100mL+メチコバール注射液1A+ノイロトロピン注1Aの点滴指示を電子カルテで入力。薬剤科で受け取った看護師は、混注時に注射指示はノイロトロピン注射液だが、薬剤はノイトロジン注と名前が違うため医師に確認、医師はバイアルを確認しないまま適切な指示を出さず、看護師は後発品と思い込み混注した。

同機構は、「実際に患者に投与する場面の多い看護師が同じ成分の後発品の名称について、エラーを生じる場面に直面しやすい」とし、「看護師が正確な知識を身につけると共に、薬剤師の関与やシステムによる支援が重要」とした。

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