低血糖発現リスクを有意に低減
仏サノフィ社は9月18日、「Toujeo(R)(インスリン グラルギン(遺伝子組換え)注射剤剤、300U/mL)」について、EDITION臨床プログラムにおけるEDITION1/2/3試験の統合解析と追加研究により、「ランタス(R)(インスリン グラルギン(遺伝子組換え注射剤)、100U/mL)」と比べ、投与開始後6か月間の夜間低血糖の発現率を低下させることができるというデータを公表した。このデータは、第50回欧州糖尿病学会議でも発表された。
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Toujeoはインスリン グラルギンをもとに開発された新規基礎インスリン製剤。よりコンパクトな皮下沈殿物を形成し、長時間にわたる薬物動態及び薬動力学的プロフィールを持つ。
グローバル第3相試験群であるEDITION臨床プログラムは、3,500人超の1型糖尿病/2型糖尿病患者を対象としたもの。全て主要評価項目の達成がなされ、Toujeoはランタスと同様の血糖コントロールを実現することが示されたとしている。
長期的アドヒアランス維持に寄与
2型糖尿病でのEDITION1、2、3試験のメタ解析では、Toujeoがランタスに比べ治療開始後6かカ月間の夜間低血糖発現相対リスクが25%低く、特に用量調整を行う開始後8週間では31%の低下と顕著な値を認めたという。夜間のみならず、日中を含めた1日の低血糖発現相対リスクでも、Toujeoがランタスに比べて投与開始後6か月間で9%の低下、8週間で17%の低下を記録している。
インスリン以外の治療を行っても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象としたEDITION3試験では、投与開始9週後から6か月後までに重症または70mg/dL以下の夜間低血糖を発現した患者の割合について、Toujeo群とランタス群で同様と有意差が認められなかったという。6か月間の投与期間中の夜間低血糖発現率ではToujeo群が有意に低く、投与開始後8週間の夜間低血糖相対リスクは0.74。1日を2時間毎に区切って発現分布を調べた結果では、夜間以外もToujeoが低血糖発現率を低下させることが明らかになったとしている。
このほか、基礎インスリン及び経口血糖降下薬の投与でも血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者を対象に実施したEDITIONJP2試験でも、Toujeoが夜間低血糖発現率を有意に低下させる結果となっている。
1型糖尿病患者でのEDITION4試験では、午前中・夜間の投与いずれでも同様のHbA1c低下が得られ、低血糖発現率はToujeo、ランタスとも同様だったという。日本人1型糖尿病患者を対象とするEDITIONJP1試験では、投与開始から6か月間に重症または70mg/dL以下の夜間低血糖を発現した患者割合が、Toujeoがランタスより低かった。投与開始後8週間の発現相対リスクではより顕著で、Toujeoが29%少なかったとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース