日本ではメジャーな血液型占いや血液型別の性格診断。海外では、あまり一般的ではないという話を聞いたことがあります。性格との関わりには、科学的な裏付けがないようですが、健康に関する点では、血液型による特徴があるようです。今回はアメリカ・バーモント大学から、血液型と記憶障害の関係を示す報告が発表されました。
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その報告によると、AB型の人は、認知症の初期から見られる記憶や思考の障害を発症する割合が、他の血液型の人よりおよそ8割も高くなるそうなのです。
血液型は、その割合が人種や民族によって異なります。アメリカではAB型は人口の4%と、最も少ないタイプだそうです。ちなみに、日本人ではこの割合は10%前後となります。
調査の対象人数は、30,000人以上で、平均3.4年間の追跡調査を行っています。調査開始時で、記憶や思考に問題がなかった人たちのうち、調査期間中に症状が現れた人が495人いました。この人たちのデータを、認知機能の問題が見られなかった587人のデータと比較分析しました。
すると、全体では、症状が現れた人の割合は4%程度でしたが、AB型の人たちでは6%と、他の型と比べても高くなっていました。
この背景に、第8因子というタンパク質が関係すると見られたため、それぞれの血液型で第8因子のレベルを調べてみました。これは血液の凝固を促進するタンパク質で、血液中のレベルが高い場合、血管が詰まりやすくなるとされています。そして、第8因子のレベルが高い人では、思考や記憶の障害を起こす確率が24%高いとされているのです。
追跡調査の結果、AB型の人たちでは、この第8因子のレベルが、他の血液型の人たちより高いことが分かったそうです。
もちろん、血液型は生まれもったもので、リスクが高いからと変えるわけにはいきませんが、リスクが高いことを自覚して、適切な健康診断を受けたり、健康管理を行ったりすることが大切だと言えますね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Can Your Blood Type Affect Your Memory?
・ABO blood type, factor VIII, and incident cognitive impairment in the REGARDS cohort