■指針外の民間事業に懸念か
薬局で可能となった血糖測定等の簡易検査に対し、日本医師会が採血を行う検査に反対を表明したことが新たな波紋を呼んでいる。厚生労働省に届け出た薬局等の検体測定室と、民間業者がドラッグストア等で実施する届け出不要のサービスが混在している実態が背景にある。店舗で生化学検査を実施しないとするサービスは、新たなグレーゾーンとも言え、こうした指針外の血液検査に懸念を示したものと見られている。日医の鈴木邦彦常任理事は、本紙の取材に、薬局での血糖自己測定について「ガイドラインを守って、しっかりやってくれれば問題ない」との認識を示した。検体測定室としての薬局では認めるとの立場だ。今後、薬局では指針外のサービスとの違いを明確にし、改めてガイドライン遵守の姿勢をアピールしていくことが重要になりそうだ。
薬局での血糖自己測定は、厚労省が臨床検査技師法の告示を改正したことで実現。経済産業省と連名で基本的な法令解釈を示したのに続き、衛生検査所の登録が不要な薬局等の施設を「検体測定室」と定義し、具体的な手続きと留意点をガイドラインで示した。こうした規制緩和により、全国の保健所で判断が異なっていたグレーゾーンが解消。薬局が地域の健康に貢献し、本来の機能を発揮できる取り組みとして期待が高まっていた。