医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > ロボットスーツHAL医療用、治験対象を痙性対麻痺症にも拡大

ロボットスーツHAL医療用、治験対象を痙性対麻痺症にも拡大

読了時間:約 1分19秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年09月22日 AM10:00

CYBERDYNEによる生体電位駆動型の装着型ロボット

CYBERDYNE株式会社は9月12日、同社の「ロボットスーツHAL医療用」について、実施している医師主導治験(NCY-2001)の対象疾患を、HTLV-1関連脊髄症(HAM)などの主に痙性のある対麻痺症にも拡大すると発表した。


この画像はイメージです

従来治験の対象となっていたのは神経・筋難病疾患だったが、新たに痙性対麻痺症も対象となり、同症において治療効果を検証する治験が実施されることとなった。試験は9月12日より、国立病院機構新潟病院をはじめとする数施設で順次開始されているという。

-HN01による歩行プログラムでの改善効果を検証

対象を拡大することで開始される新たなNCY-2001試験では、先行して実施された脊髄運動ニューロンより下位が傷害される疾患群で実施された「希少性神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための新たな医療機器、生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)に関する医師主導治験-短期効果としての歩行改善効果に対する無作為化比較対照クロスオーバー試験(NCY-3001試験)」に対し、脊髄運動ニューロンより上位を傷害する疾患群での効果検証を実施する。

HAMなどの痙性対麻痺症(HAM層およびその他の層)における歩行不安定症において、HAL-HN01を使った歩行プログラムが改善効果を示すかをテストしていくとしている。

ロボットスーツHALは、筑波大学山海嘉之教授が研究開発し、サイバニクス技術を用いて、人の身体や脳とリアルタイムに情報を交換し、人を支援するよう設計された生体電位駆動型の装着型ロボット。装着者が行おうとする運動を、皮膚表面の生体電位などを利用して随意運動意図にあわせてデコードし、必要なモータトルクで多関節の動きを助けるという。

こうした機能により、さまざまな病態によって生じた随意運動障害に対し、実際の運動現象と、随意的運動意図を反復連携させることで、脳から脊髄、運動神経、筋という身体システムにおける随意運動の再獲得が可能になると期待されている。(紫音 裕)

▼外部リンク
CYBERDYNE株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • FACEDUO「認知症ケア支援VR」発売-大塚製薬ほか
  • モバイル筋肉専用超音波測定装置を開発、CTのように広範囲描出可能-長寿研ほか
  • ヒトがアンドロイドの「心」を読み取り、動きにつられることを発見-理研
  • 生活習慣病の遺伝的リスクと予防効果の関係、PRS×AIで評価-京大ほか
  • 精神的フレイル予防・回復支援「脳トレシステム」開発-愛知産業大ほか